TPS申請成功の条件

Tetsuya Yamazaki

TPSは単なる管理モデルではない。その理念から始めるべきである。

常に異なる視点を私たちに提供し、生活のあらゆる側面にカイゼンの思想を反映させている山崎哲也は、TPSの技術だけでなく考え方までも大野耐一から学び、長年にわたってこの思想を強力に実践してきた。山崎によれば、経営者がリーン変革の実践を成功させるためには、次のような原則が必要だという。以下、すべてのマネジャーの羅針盤となるこれらの原則を検証してみよう。

カイゼンは必要性に基づいて行われるべきである。

カイゼンは問題を解消し、新たな利益をもたらすと信じるべきである。カイゼンは企業発展のための最も効果的なツールであるため、特に現場では常に必要とされ、適用されるべきである。

理想をつかむ」という目標を捨ててはならない。

昨日の成功を今日の成功と考えるべきではない。理想的な状況に到達したら、それはもう現在の状況である。従って、新たな現在の状況を受け入れてはならず、より良い状況を常に求めるべきである。

闘いは「できることをする」だけでなく、「しなければならない」ことをするために戦わなければならない。

逆境に直面しても決して諦めない。困難なことに挑戦することで、問題解決能力と戦闘力を高める。この考え方をチームメンバー一人ひとりに浸透させる。

源智玄武に専念しなければならない。

生産現場ほど問題の多い場所はない。だからこそ楽しいのだ。問題は現場にあるのだから、行動も現場にあるべきだ。机上で問題を解決しようとしてはいけない。生産担当者とチームで問題解決に向かう。

ゲンバの人的・製品的・設備的要因を自分の目で見て、カイゼンを行う。

日々の現場管理を行う。常に生産現場に立ち会い、観察する。オペレーターの行動や機械の問題を自分の目で見て、無駄を発見する。カイゼンはより早く結果をもたらすでしょう。

5回のなぜ」で根本原因をつかむ。

どんな問題にも根本的な原因がある。この根本原因を突き止めることは難しくない。問題
原因同士を突き合わせて捉えれば、根本原因にたどりつくのは簡単だ。根本原因に到達する方法を現場の従業員に教える。しばらくすると、現場の従業員は問題を報告するためではなく、対策を提案するためにあなたのところにやってくるようになる。

まず行動、そして実行が不可欠だ。

どこからアクションを起こそうかと悩む必要はない。袖をまくって動き出すのだ。重要なのは、努力が目に見えることだ。闘いを始めれば、必要な支援が得られる。

カイゼンの結果、新しいアイデアが生まれる。

カイゼンを行っている間に遭遇する新たな問題や、カイゼン後に現状を維持するために取るべき措置は、新たな手法による新たなアイデアを提供してくれる。理想の状態に到達したら、その理想を標準化する。標準化された理想的な状態が、新しい現状となる。

カイゼンはゆっくり行うものではなく、素早く素早く行うものだ。

カイゼンの適用に時間を浪費すれば、結果が出るのは後になってしまう。これでは、チームや企業組織のカイゼンに対する信念が損なわれてしまう。このため、計画をすぐに実践し、立てた計画と結果を照らし合わせてください。

長い時間をかけて適当にやるよりも、要求を満たすアプリケーションにすぐに切り替えて実験を始めたほうがいい。

問題が存在する限り、プロセスの無駄は存在し続ける。改善行動には2種類ある。「一時的行動と恒久的行動である。恒久的な行動でムダをなくすまでは、まず一時的な行動で結果を出そうとする。 この結果を一時的なものにしないためには、恒久的な行動をすぐに取り、時間を無駄にしないことである。

オペレーション・カイゼンは設備カイゼンより優れている。

マシンの効率化のためには、マシンの問題だけを探してはいけない。プロセス全体を検討する。カイゼンを機械だけに限定せず、効率化のための価値観の道筋をたどる。特に人的側面と方法的側面を分析する。

作業の安全性と品質が最優先されなければならない。

製品の品質ではなく、プロセスの品質に焦点を当てる。高品質の工程管理のために安全な工程を構築する。プロセスの品質、すなわち現場の品質にとって、労働安全や従業員のモチベーションは非常に重要である。労働安全活動は、チームワークを向上させる最も重要な活動である。リーンアプローチを労働安全に活用する。これらの手法をチームに教えることで、現場管理を指導する。

人間尊重

「トヨタウェイ」の2大テーマの一つである「尊重」。従業員への敬意、雇用主への敬意、そして企業として存続するための顧客への敬意。特に現場作業員は仕事の中で最も困難な部分を担っているのだから、管理職や事務職は現場作業員の仕事をリラックスさせ、円滑にするという考えを持つべきである。あなた方はチームであり、このチームは心理的な構造、つまり人間から成り立っていることを決して忘れてはならない。